名古屋市中区丸の内のカジュアルワインと楽園料理 「葡萄畑 ハノハノ」
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開運!ハワイ 1−9
「光子、第442連隊戦闘団って知ってる?」

「サッカーのフォーメーション?」

「帰るわ」

「あんたのお店でしょうが」

「まいっか。以前ハワイで日系人とはなしてたらさ
おまえ真珠湾へは行ったのか、と聞かれたのさ。
興味ないと答えたら1時間ほど説教されたよ」

「まじで?どうしてよ」

「最初の日系移民ってのは江戸幕府末期でその後明治時代に
数回にわたってハワイに行ったわけさ。けれど当時の
移民ってのはプランテーションでの労働で、まるで
奴隷のような扱いだったわけ。でも日本人は
手先が器用だしまめに働くし文盲もいなかった」

「江戸時代と真珠湾?」

「まぁ聞けよ。そんな厳しい状況下でも頑張った結果や
歴史的な背景から2世3世の時代にようやくアメリカ市民と
なる事ができたわけなんだけど、そんな矢先に
大東亜戦争が起きたわけだ。つまり真珠湾攻撃」

「で日本人はどうしたの?」

「1941年当時のハワイの日系人人口は全体の4割だったのさ。
アメリカとしたら、同胞がそれほどたくさん居る場所で
しかも、アメリカ本土ではなくアメリカの領土にすぎない
ハワイを攻撃するなんて考えられなかった事なのさ」

「パールハーバーって映画には日系人なんてひとりも
見かけなかったわ」

「そりゃそうさ、アメリカ人は常にあの戦争を正当化する
必要があるからね。日本人が日系人を攻撃してる映画を作っても
アメリカじゃウケないよ。で開戦当時西海岸に居た日本人は
すべて強制収容所に隔離されて捕虜扱いだったのだけれど
ハワイでは4割もいるわけだから社会の仕組み自身に
支障をきたすので捕虜扱いはされなかったかわりに
男性は志願兵として駆り出されたというわけさ。
つまりアメリカへの忠誠心を命を張って見せつけろ
という具合だな。でもすでに2世の時代になると
日系だが自分はアメリカ人というアイデンティティも
あったから自分たちの愛する家族たちのために
アメリカ兵となったんじゃないかな」

「ええ?じゃ日本人同士が戦った戦争だったの?」

「いや。現実はもっと過酷だったかもしれないよ。
多人種の入り混じるアメリカなのに第442連隊戦闘団は
日系アメリカ人だけの部隊なのさ。そして1944年
フランスでテキサスの兵隊がドイツ兵に包囲されどう見ても
救出困難なところに派遣された。121名を助けるために
第442連隊戦闘団は800名の死傷者を出したと言われている」

「かわいそう・・・」

「彼ら日系人の相言葉は『GO FOR BROKE!』当たって砕けろだ。
悲惨だろ。楽園ハワイで僕ら日本人が優遇されるのは、ただ
お金を使うお客さまだからって事だけではなく、そういった
先人たちの功績に因るところがじつは大きいのさ」

「ぜんぜん知らなかったし、歴史の時間にも聞いた覚えがないわ」

「でもハワイを愛する人には知っておいて欲しい歴史だよね」

「俊介ってそんなに流暢に英語話せたっけ?」

「しゃべれないけれども、どこの国に行こうがその国の人と
できるだけ話をしたいといつも思ってるんだ。
だから団体旅行はしない。
なんか、日本人で海外に行って日本人のまま帰って来るって
すごく損してる気分になるんだよね。
せっかく普段と違う生活なんだから、なにがしらの
影響を受けて帰って来たいと思ってる」

「じゃGO FOR BROKE!じゃなくてGO FOR BROKEN ENGLISHね」

「そういうギャグは好きになれないな。笑えない」

「ごめんなさい」

「今いる日系人はそういう勇敢な男たちの血を引いてるって
知った上で彼らに接して欲しいな。いつもアロハスマイルの
ジェイク・シマブクロが「GO FOR BROKE」って曲をつくったのも
きっとそういう気持ちの現れだと思うよ。
悲痛な顔で弾く彼のプレイはYouTubeでも見られるから
今夜にでも見て欲しいな」


開運!ハワイА峺獣呂凌佑範辰后
04:37 開運!ハワイ comments(0) trackbacks(0)
開運!ハワイ 1−8


「今、話しながら気付いたんだけどさ」

「セルフパワースポット?」

「そう。あのさ神社でお祓いとかしてもらうでしょ」

「ご祈祷ね」

「これは春日大社の宮司をしてみえた葉室頼昭老師の
著書で学んだのだけれどお祓いってのはさ、汚れを
払うとか穢れを祓うのではなくって「気枯れ」を
「葉らう」つまり生きる根幹としての気が弱ってる状態を
いきいきとした葉のような生命力溢れる状態にする
そういう儀式だと言われるんだよね」

「ハラウで思い出したんだ」

「そうそう。ハラウの「は」は葉っぱのような生命力。
「ら」は複数と云う意味「う」は能動的にということで
ハラウってことばは、とっても不思議なんだけど
日本語としての語感の解釈から言ってもとてもエネルギーに
満ちた名称なんだよね。だから元気になるに決まってる!って
断言できちゃうよ。だからフラ教室とかフラスクールではなく
フラハラウっていう呼称がいいだろうね」

「なんかすごくうれしい共通点ね。そういう考え方って
言霊とか音魂とか言うよね」

「そう、これもうれしいハワイと日本の共通項で
ハワイの人たちもことばには魂が宿ってると考えるんだ。
身の回りの自然には精霊(マナ)がいて、神々に守られ
それらと共存共栄するためにチャントを唱える」

「ロミロミマッサージの施術のときになんか、あの
チャントを聞いてるだけでデトックスされてる気分が盛り上がるわ」

「そうだね。意味なんてわからなくてもその音に中に
浄化作用があり、マナや神々を喜ばせる何かがあるんだろうね。
日本で言えば神道における祝詞(のりと)である
大祓詞(おおはらえのことば)は1400年も語り継がれていて
神さまを喜ばせるという意味ではおなじだな」

「でもさ、チャントや祝詞は覚えられないな」

「それはその道のプロフェッショナルにお任せするとして
必要になったら覚えたらいいんじゃないのかな。カヒコを
踊るようになったら勝手にカラダにしみこむよ。それより
僕らは日常生活ですこしでもうつくしいことばを発することが
いいんじゃないかと思うよ。少なくとも汚い言葉は使わない
そういうこころ掛けだけで自分を取り巻く世界は変わる」

「ヤバいね。それ」

「もうダメじゃん」


開運!ハワイΑ嵶匹い海箸个録誉犬鯤僂┐襦
19:47 開運!ハワイ comments(0) trackbacks(0)
開運!ハワイ 1−7
「光子のパワースポットの定義に戻るとさ、その場所に
エネルギーが充満してて、そこに行くとそのパワーが
もらえたり運気が良くなったりする場所の事じゃん。
じゃ、それって特にどこかに出掛けなくっても
身近にありそうな気がしない?」

「そう言われりゃそうかもね」

「今、不況だからさみんながパワースポットに
行くって事は少なからず経済効果がある事だから
マスコミや旅行会社は煽るんだけれど、さて
ほんとうはどうなんだろうね。光子が今の生活で
パワースポットに類似するのはどこ?」

「フラ教室かな。みんなのフラに対する情熱や
真剣さを感じるし何より好き!ってエネルギーを感じるの。
もちろん踊ってる時は仕事の事もそのあと何を食べるかさえ
考えてなくてみんなとこころひとつにしてる充実感や
カラダを動かす事で汗をかくことも快感なのよね。
なにしろハワイを感じられるし」

「なるほどね。じゃ、ハラウが光子のパワースポットだよ」

「そんな事考えた事もなかった」

「いやいやそうなんだよ。もっといえばそう自覚する事で
さらにパワースポットとしての本領を発揮する。僕も
海で波を待ってる時、テイクオフの瞬間、自分と波の
いや地球とのエネルギー交換だと真剣に思うんだ。
波に揉まれて水中でどっちが上なのか下なのか
わからなくて息も続かず死ぬのかなと不安に思った事なんて
一度や二度じゃないし、それだからこそ気持良く
波の乗れた時の快感はなにものにも換え難いし
心地良い疲労感が深い眠りをくれてまた良い一日が始まる
僕にとってはおおいなるパワースポットなのさ」

「私もフラシスたちとしゃべってるだけで元気になれる」

「だろ?だからみんなが自分だけのパワースポットに
気付いたのならもっともっと幸せですこやかで平安で居られるのさ」

私には俊介がパワースポットなの。光子は口を突いて
そのことばが出そうになったがグっと飲みこんで
笑みだけを俊介に返した。


開運!ハワイァ崋分だけのパワースポットを持つ」

00:06 開運!ハワイ comments(0) trackbacks(0)
開運!ハワイ 1−6


「ねぇねぇ、じゃハワイのパワースポットに行く事で
気を付けなきゃいけない事とかあるの?」

「パワースポットってつまりスピリチュアルポイントじゃん。
オアフでいうと『ウルポヘイアウ』とか『バースストーン』だね。
少し前まではローカルな人しか足を踏み入れちゃいけない
神聖な場所だったんだけど、日本の神社仏閣のように
壮大な門があったりお社さんがあったり鳥居があるわけじゃ
ないからさ、その敷地のどこからどこまでが神聖な場所なのか
わかりにくいよね、だからその分よけいに緊張して
訪れるべきだと僕は思うよ。ハワイとの『ご縁』を
戴いたのだと思って神聖な気持ちでその場に足を踏み入れたい。
僕は日本のスタイルでも間違っていないと思うから
そこに立ち入る瞬間に一礼をして合掌をして、失礼しますと
こころのなかで念じてから奥に進むよ」

「日本式でいいんだ」

「神社仏閣の中で大騒ぎしたり飲食したり煙草吸ったりしないでしょ。
そういう至ってレギュラーなひとたちの基準で言えばそれでいいのだと
思うよ。落書きしたりゴミを捨てたりはもちろん論外。
管理人とかそれらしきひとが常駐してるわけじゃないので、その分
自分には厳しくパワースポットと向き合って欲しいものだね」




「あとは?」

「やっぱりそこでもそこに来られた縁を結べた事に対してきちんと
お礼を言う事だと思う。できるだけ長い時間滞在して裸足でその
感触をじかに感じたり悠久の彼方に想いを馳せる事で、その場所との
距離がさらに近くなるんじゃないのかな。具体的に言えば
またそこに行く機会に恵まれたり、ちゃんとお礼参りができたりね。
お墓参りをする時に近況報告したりしながら故人を想って瞑想する
そんな感覚が似ているのかな」

「なるほどね」

「あとは五感をフル起動させて味わい尽くして欲しい」

「視覚、嗅覚、触覚、聴覚に味覚まで?」

「土を食べろとは言わないよ。しっかりとその場所の味わいを
脳に焼き付けると日本に帰ってからも参拝ができるのさ」

「言ってる意味がわかんない」

「つまりね氏神様を参拝しようと思ったらすぐにでも行けるわけじゃん。
でも、ハワイのパワースポットに今すぐには行けないよね。
だけど僕らの肉体は無理でも魂は時空を超えられるから、目を閉じ
その時の感触を思い出しながら一心不乱にその場所を想うのさ。
するとアフターパワースポット巡礼ができる」

「それは伊勢神宮でもおなじことだよね」

「もちろんそう。そこに訪れたのは人生の中の一瞬でも、それは
永遠の一瞬に成り得るってことなんだ。瞑想で時空を超える事で
もういちどその場所とのエネルギー交換ができるんだ」

「めっちゃスピリチュアルじゃない?」

「ほんとうに大切なものは目には見えないものなのさ」

「星の王子様じゃあるまいし」(笑)


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00:02 開運!ハワイ comments(0) trackbacks(0)
開運!ハワイ 1−5
光子は仕事帰りに書店に立ち寄った。
今日は愛読書「月刊 店舗建築」の発行日なのだ。
地道な最新の情報に対する勉強は欠かさない。
会社から与えられている書籍だけでは会社が
求める以上の仕事はできないと考えているし
同時にくだらない女性ファッション誌にも
いちおう目を通しておく。その内容よりも
ページを捲っている時間の方が圧倒的に多いのだが
時折りデザインやカラーコーディネートの参考になったり
応用としてのひらめきがあるのだ。

ふと目をやると「ハワイのパワースポット大特集!」とある。
40代の女性をターゲットとしたその本は、写真も文章も
うつくしくエレガントにまとめられているので
光子にとっては自分の予習も含め参考になる本だったので
パラパラと特集記事を見て、購入を決めた。

「俊介のお店に立ち寄っていっしょに読もうと思ってさ」

「パワースポットね」

「なに?その嘲笑。失礼しちゃうわ。ぜったいに
食いついてくると思って買ってきたのに」

「ありがとね。パワースポットを否定するわけじゃなくって
つまり光子ってあまりにもミーハーの代表選手だな、って
笑えてきちゃっただけで他意はないよ」

「いつもアンテナ張り巡らせてることはデザイナーとしての
仕事のうちじゃない、それをミーハー呼ばわりされたらたまんないな」

「あはは。ごめんごめん。ま、それはそれで置いといて
光子にとってパワースポットの概念って何?」

「その場所にエネルギーが充満してて、そこに行くと
そのパワーがもらえたり運気が良くなったりする場所の事かな」

「たとえば?」

「伊勢神宮!あそこはすごく気が良くて行くと気持がやすらぐの。
少しの風でも木々の擦れ合う音が聞こえて神さまが『よく来たね』って
歓迎してくれてるようなそんな気がするの」

「で、お願い事とかするんだ」

「家内安全。商売繁盛。交通安全。厄除。開運招福。恋愛成就」

「わかった。わかった」

「え?不服そうね」

「あのさ、そもそも伊勢神宮って場所は日本と云う国を守る神社だろ?
だれの家の近所にも氏神様が祀ってあるわけで、その土地を
使わせて頂き平安に暮らせる事を感謝しに行くところなんだよ。
伊勢神宮はいわば日本の氏神様、鎮守の神なわけだから
個人のお願い事をする場所じゃないんだよ。
お願い事をするとするなら日本の国が豊穣で平安でありますように、と
まず日本国のことを考えるべき場所なのさ」

「なんか小難しい」

「個人の事を伊勢の神さまに言うのなら日本をよりよくするために
私はより良い住まいや店舗建築をデザインしますね、とか
宣言をしに行くところさ。我欲じゃなく日本全体にとって
良い事をお願いするのならそれはいいんじゃないのかな。
パワーをもらうんじゃなくて伊勢神宮に自分のパワーを
分け与えるくらいの気持ちがないと行く意味がないよ。
パワースポットをことさらにアピールするわりにはマスコミは
その場所の由緒由来だとかその意味をちゃんと伝えないだろ?
だからパワースポットとして神社仏閣に参っても意味をなさないし
お礼参りなんて云う習慣さえ知らないからみんな行きっぱなしだ。
そんなので運気が上がるわけがないのさ」

「偏屈」

「僕は神社が大好きだからよく行くのだけれど神社でのマナーすら
知らない人がほとんどで初詣なんかに出掛けるとげんなりするよ。
鳥居をくぐるときには一礼をする事すら9割の人はしないし
手水舎(ちょうずや)での作法も知らない。水を飲むところだと思って
直接くちを付けてる輩すらいるからこわいよ」

「えっ?水飲んじゃダメなの?」

「ほらほら、ここにもいた。飲んじゃダメってことはないんだけれど
水で流して清める場所だからさ、両手を清めて
くちをすすぐだけでいいのさ。いちど歯磨きしてる人を
見たけど明らかにやりすぎだ」(笑)

「そっか。情報はやまほどあってもちゃんと取りに行ってないのかもね」

「そう。パワースポットを訪れるのならそれなりの予習をして欲しいし
礼儀作法も知っておいて欲しいな」

                    つづく


開運!ハワイ「パワースポットの由緒歴史を知る」
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開運!ハワイ 1−4
俊介は波乗りの先輩からこのBARをまかされている。
というよりは先輩が自分のくつろげる自分のスタイルの
BARが欲しかったので俊介に店長でやってくれないかと頼み
ふたりでコンセプトも内装もメニューも考えたから
俊介の店と言っても過言ではない。
もともとはカジュアルフレンチのお店で働いていたのだが
どこか堅苦しさがあり接客も上っ面だけのような気がして
独立を考えていた頃だったので渡りに船だった。

「アロハー!」

「光子か、まいど。またえらく早い時間どうした?」

「ちょっとこっちの方で打ち合わせがあってね。のぞいたら
俊介がいたからコナコーヒーでも飲ませてもらおうと思って」

「まだ準備中。時間外は高いよ」

「医者かよ。そうそう先日のアンティの話ありがとう。
おかげでぐっすり眠れたわ」

「話じゃなくて酒の量だと思うけどね」

「『Pay it Forward』って映画観た?」

「もちろん。ラストシーンは泣かせ過ぎだけれどいい映画だったな」

「ひとりが三人に教えて、その三人が三人に伝え続けると
世の中が良くなるってシーンから始まるじゃない。だからさ
あの話をいろんな人に話したのよ」

「で、どうだった」

「感じてくれるひともいれば、スルーに近い人もいてまちまちなんだけど
話してるうちにアンティの人生がどんどん自分の中で増幅されて
自分のおばあちゃんの話をしてるようで誇らしい気分になっちゃった」

「光子ってミーハーなわりにおもしろい事言うよね」

「ひとこと余分だと思うけど」

「世の中情報で溢れてるじゃん。インプットしようと思ったなら
どれだけでもインプットできちゃう。でもさ、それが実体のない
情報ならないのと同じなんだよね。つまり即行動する事で
インプットした事柄が自分の体にしみ込んで自分の知恵になる。
アウトプットの方がだんぜん重要なのさ」

「苦しい時に笑う事は智恵にならないでしょ」



「アロハスピリットに照らせばわかりやすい。

Akahai E Na Hawai'i
(穏やかに優しく)
Lokahi A Ku Like
(すべてがひとつとなるように調和を保ち)
`Olu`olu Ka Mana`o
(楽しく愉快なことを心に想い)
Ha`aha`a Kou Kulana
(どんなときも謙虚でいる=心から感謝をする)
Ahonui A Lanakila 
(そして忍耐強くそれらを続けること)
Aloha E,Aloha E Aloha E

このチャントの頭がALOHAになってる。
継続は力なりって言うでしょうが。やり続ける事が
唯一自分を変える事ができるんだな。
一朝一夕では、なにごとも変わらない。
薬にたとえたなら西洋医学の対処療法じゃなく漢方薬を
飲み続ける事によってじっくりと体質改善していく感じ。
ダイアモンドはダイアモンドじゃないと削れないのと同じで
ひとを磨くのもひとなのさ。アンティに会った事はなくても
僕の中でまちがいなく彼女は生きてて微笑んでくれる」

「そっか、でも私にもそうかも知れない。この一週間
なんか元気に暮らせたもん。笑う門に福は来るんだななんて
思いつつアンティの笑顔に支えられた気がする」

「じゃ、今日はもうひとついいことばを教えるよ」

「なんか俊介ったら先生みたい」

「じゃ、やーめた」

「いやだいやだ。そこまで言って聞かずに帰ったら
今夜眠れなくなっちゃうもん」

「Each one Teach one」

「英語なんだ。単語はかんたんだけど意味わかんない」

「つまり、誰もがひとに教えられるなにかを持っているって事。
チベット仏教の絵なんか見ると顕著なんだけど曼荼羅ってあるでしょ。
簡単に乱暴にひとことで言っちゃえばこの宇宙に存在するものは
すべてがつながっている事の象徴なんだな。誰もが誰かのために
存在していて少なからず役に立ってて、だれひとりとして
必要のない人間は居なくて、だれもかれもがセラピストであり
カウンセラーでありアドバイザーでありコンサルなのさ
Lokahi A Ku Likeってことばにも
通じるような気がしない?」

「英語のことばなのに仏教的で日本的ね」

「あはは。俺日本人だからね。でもね、このことばを聞いて
最初に思ったのはハワイの人たちのホスピタリティなんだ。
あのウラのないおもてなしのこころは日本人のメンタリティである
一期一会や礼儀に通ずるものがあって心地良いよね」

「わかるわぁ」

「だからね、ちょっとしたことで凹んだり傷付いたりする暇はなくて
いつも自分は誰かのために生きてるって事をしっかりと認識して
相手からもそれを感じる事がEach one Teach oneってことなのさ
もちろん無理しちゃいけないけれど僕らは生きてるだけで
いろんな事を学び教える事ができる。そしてなにより
どんなにつらい夜も乗り越えていける」

「Each one should teach one thing.って事ね。
自分が生きてる事で精一杯でひとに教える自信なんて
ないけど元気になれることばね」

「だいじょうぶ。生きてるだけで価値があるんだから」

「俊介って謙遜で言ってる言葉に気付かないのよね。
まったくデリカシーがないんだから。女の子はね
どんどん持ち上げてくれた方が気持良く木に登れるのよ。
今日だってそれなりにクライアントに喜ばれてるんだからねっ!」

「うわぁ、今日は光子に教えられちゃったよ
じゃ、コーヒーはタダって事で」

「とーぜん!」


開運!ハワイ◆Each one Teach one」
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開運!ハワイ 1−3


カウンターにSPAMの缶詰をステージに
ウクレレ持って歌っているフラガールがいる。
バネで揺れるのがおもしろいわけではないが
なぜかさわってしまう。

「ねぇ俊介ってさぁ、しあわせ?」

「おお!唐突過ぎる質問。なにかあった?」

「はたから俊介を見てるとなんの苦もなく
いつも幸せそうじゃん。もちろんサービス業だから
悲壮感漂ったらお仕事になんないけど
それにしても幸せそう過ぎる。
波乗りしてウクレレ弾いていつも誰かと
たのしそうにおしゃべりしてる。
人間そうそういつもハッピーじゃ居られないんじゃないか
と思うのよね。性格って言ったらそれまでなんだけど
それじゃ割り切れないなにかを感じちゃうわけ」

「お嬢様。たいへんもったいのない
光栄なおことばをありがとう存じます」

「もう!」

「あのさ、偉大なるハワイアンシンガー
アンティ・ジェノア・ケアヴェは知ってるよね」

「もちろん。アリカって曲が超有名だしライアテアちゃんのような
彼女のフォロワーもいるくらいで息継ぎなしで
あんなに長く歌えるなんて,いつ聴いても鳥肌。
写真や動画を見てもとっても可愛らしいおばあちゃんで
憧れるわ」

「だよね。あのブレスなしのロングトーンには秘密があるんだよ。
もちろん天性の才能ってこともあるんだけれどその秘密を
インタビューした人がいてねアンティはこう答えたのだそうだよ
『苦しいときほど笑いなさい!笑顔!笑顔!』」

「やっぱ苦しいんだ」

「ばか。そのまま受け取っちゃいけないよ。
そのひとことに彼女の人生が集約されていると思わない?
彼女が生まれたのは1918年。アメリカ合衆国に併合されて20年。
併合といえばなんとなく平和的なイメージがあるけれど
要は侵略されたわけだ。世界地図が毎日のように
塗り替えられていた時代の事さ。1840年代には
イギリスやフランスからも侵略を受けていて当時は
日本にも黒船が来たりしてあやうく侵略されるところだった。
その100年くらいのあいだってのは先進国の
やりたい放題だったのさ。わかるだろ?
つまりたった100年前のハワイの人たちってのは
自分たちのアイデンティティを守るのに必死だったわけ。
もちろん多くの血も流れたんだ。
でアンティの話に戻ると侵略された国土で育ったわけだよね。
当時はハワイ語も禁止の対象でアメリカ人にすべて奪われたわけだ」

「まじ?そんな悲しい歴史があったなんて・・・・」

「だからそれまでハワイの人たちは文字を
持っていなかったから歌や詠唱(チャント)で
文化の継承をしていたんだけれど、歌うことすら
ままならなかった時代があったわけ」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・」

「光子は想像力たくましいな。涙目になってる」

「だってそうじゃん、そんなのいやだもん」

「そんな時代を89年生きぬいた彼女が言う
『苦しいときほど笑いなさい!笑顔!笑顔!』
そのことばの中にはめちゃめちゃ含蓄があると思わない?」

「なんかさぁ上司とうまくいってなかったり取引先にゴネられたり
凹んでたんだけど私ってめっちゃちいさく感じるわ」

「だろ?彼女のこの言葉がいつも僕に力をくれるのさ。覚えておいて」

「じゃさ、今日も俊介は笑顔じゃん」

「まあね」

「ってことは苦しいんだ」

「おまえ、馬鹿だろ?」


開運!ハワイ 惷譴靴い箸ほど笑いなさい!笑顔!笑顔!』
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開運!ハワイ 1−2
光子は俊介のつくるカクテルをカウンターで飲むのが好きだ。
というよりは俊介がカクテルをつくる時の所作を
とても気に入っている。BGMのハワイアンすら
その時の彼の耳にはきっと聴こえていないはずだ。

ピッと背筋が伸びオンス計を見詰める時の研ぎ澄まされた視線は
クリスタルのような輝きがあり光子にはそれがセクシーでたまらない。
寸分たがわずに振るシェイカーの奏でるリズムにうっとりとする。
冷えたグラスに注がれるうつくしい液体を見ていると
自分のこころも満たされていくような気分になるから不思議だ。

サンダウナー(Sundowner)はその名の示す通り
夕陽を見立てたカクテル。ジャマイカンダークラムと
ライムそこにマラスキーノとホワイト・キュラソーが
ほんのり入りシェイクし氷の入ったロンググラスに
うやうやしく注がれトニックウォーターで満たされる。
きれいなオレンジ色にダイアモンドダストが溶けていくようだ。
ステアする俊介の指を見つめながら、カウンターのバック棚の向こうが
ワイキキビーチだったらいいのに。光子はいつもそう思う。

「このカクテルを飲むとハウス・ウィズアウト・キーの景色が目に浮かぶわ」

「ああ、僕も夕陽の時間、滞在中に一度はなぜか立ち寄ってしまうな」

ハレクラニホテルのなかの鍵のない家と名付けられた
オーシャンフロントのバーだ。左手にダイアモンドヘッド
右手にはキアヴェの樹がありそこに刻々と夕陽が落ちていくさまは
まさにハワイなのであり贅沢な時間を過ごしている気分に満たされる。
しかも毎日サンセットの時間になるとハワイアンの演奏と
フラのショーが観られる。ショーに対してのチャージがないのも驚くが
お替り自由のおつまみの老人には無理であろうとても堅い
ポテトチップスもドリンク代に含まれているからカクテル一杯だけで
サンセットを楽しんだならお会計は8ドル程度だ。
最高級のホテルらしいおもてなしと贅沢な景色とショーで8ドルは
さすがに申し訳ない気分になるが行かない手はないのだ。




「ハワイアンウェディングソングね」
いつのまにやらBGMはエルヴィスの歌うハワイアンになっていた。

「エルヴィスは50年代が最高さ、この頃のエルヴィスはムービースターであってロックンローラーじゃない」

「ふーん、でもこの曲大好き。私が結婚する日には生演奏で聴きたいな」

「この曲はちゃんとハワイ語のバージョンもあるの知ってる?」

「そうなの?聴いたことない」

「Ke Kali Nei Auってタイトルになるんだけど直訳したら
ほとんど同じ内容の歌だね。チャールズ・E・キングって人が
1926年に作った曲さ、エルヴィスの映画で歌われたのは1961年。
エルヴィスがひとりで甘くセクシーに歌うのとは対照的に
ハワイ語のバージョンだとコーラスも入ってるから
印象はぜんぜん異なるんだ」

「そういえばハレクラニで夕陽を見てた時におとなりの
ラ・メールで日本人が結婚式をしてたわ。
あの最高の夕陽と演奏とフラに囲まれての結婚式、憧れるな」

「なるほどね、光子みたいな需要がちゃんとあるんだ」

「どうして?最高じゃない?」

「だってさ、陽が傾くことを斜陽って言うでしょ。
それって乱暴に言っちゃえば没落を意味することばで
縁起悪いじゃん。僕の推測では日本からの飛行機の時間の問題で
その時間に式を挙げるのがいちばん時間の効率が
良いからなんだと思っていたよ。僕ならふたりきりで良いから
午前中に太平洋の水平線に向かって永遠の愛を誓うな」

「それも素敵ね」

「おいおい、プロポーズじゃないからな。誤解すんなよ」

「ばーか!」

                      つづく
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開運!ハワイ




第1章 日本とハワイ

「ああ、ハワイに行きたい。たまらなく行きたい」

「なんで?」

「もう我慢できない。行かなかったら死んじゃうかも」

「死んだら?」

「私ね、きっと前世はハワイ人だったと思うのよ。
ハワイアンミュージックも大好きだしサーフィンも大好き。
フラ踊ってる時、今まさに自分なんだって。
そう、生きてるって実感が湧くのよね」

葉野光子は短大を卒業する時に友人数人とハワイ旅行に行ったのだが
その時の幸せな記憶からフラを始めたのだが卒業後
建築デザイナーとしての仕事は、いくらがんばっても
まとまった休みなどなかなかもらえない。
バリやプーケット、グァムなどのビーチリゾートへは二泊三日で
行けるので出掛けてはみたものの海があって太陽があっても
あの鮮烈なハワイでの印象とはかけ離れていて、もちろん
それなりにたのしいのだがどこが物足りなさを感じていたのだ。

そんな頃にフラ教室が会社の近くにある事を知り通い始めたが最後
日々ハワイへの憧れは募るばかり、それどころか
入れ替わり立ち替わりフラシスターの誰かが
ホノルルクッキーを携えて土産話をするからたまらない。

サーファーの彼は俊介。時折り彼の波乗りに付き合うのだが
海や太陽は良しとしても松の木陰では気分が盛り上がらない。
もちろん波の音や心地良い風は街中では感じられないから
光子にとってはいい気分転換ににもなるしなにより
俊介と居られる時間が楽しい。
彼とはそう、海で出会ったのが始まりだ。

「あのさ、現実的な事言って申し訳ないんだけどさ
前世ってのがたとえば50年前だったとしても
今光子が踊ってるハワイアンの曲は、まだハワイには
存在しなかったしサーフィンだって100年前に
デュークがはじめたんだけど今のような
グラスファイバーじゃなくってコアの木を
自分で削って使ってたんだぜ、女こどもじゃ
持ち上げるのさえ無理だよ、だから前世での体験ってのは
100%ない。二万%ないと言っても良い」

「でもね、アロハシャツもムームーも大好きだよ」

「馬鹿言っちゃいけない。アロハシャツの原型ってのは
日本人の移民が始めたんだからせいぜい1930年代。
前世で着てたわけがない。この本見てみなよ、どう?
ヴィンテージアロハと呼ばれるものは今のような
マイレやハイビスカスなんかじゃなくってさ
鯉だとかがモチーフの柄ものばかりでとってもみやびな感じだろ。
いま光子が好きなハワイってのは1960年代にパンナム航空が
一大キャンペーンをはじめてこの世の楽園みたいなイメージを
作り始めてからのハワイがほとんどだよ。
おまえさフラやってるのならもう少しハワイの文化を勉強しなきゃ」

「文化なんでどうでもいいじゃん、美しく踊るのがフラよ」

「じゃ、どうして美しく踊らなきゃいけないのかな」

「なんか意地悪じゃない?私が楽しく踊って不満なわけ?」

「いやいやそうじゃなくってさ、フラってのは俺から見たら
究極の手話でさ、踊ることが神さまへの捧げものっつーか
日本で言えば神社の神主さんの祝詞(のりと)にあわせて踊る
巫女さんみたいなものなんだよね。だからハワイの大地や海、
あらゆる自然の恵みに感謝してますっていう神さまへの
メッセージとしての表現なわけさ。光子は日本の神さまってわかる?」

「馬鹿にしないでよ、天照大神でしょ?だから日章旗なんだし」

「ま、そうなんだけどさ、もともと日本人の考え方として
八百万の神さまがいてさ、どこもかしこも神さまが宿ってるんだよね。
そうしてたとえば雨が降ったり日が照ったりしたらそのつど
神さまに感謝してたんだな。今の僕らの生活にしても鉛筆には
鉛筆の神さまがいてさ、ていねいにちゃんとその寿命を
まっとうしないと申し訳ないような気分になるじゃん。
それとおなじようなメンタリティがハワイの人々にはあるんだよな。
日本とハワイってぜんぜん違うように見えてじつは共通点が多いのさ」

「あ、なんとなくわかるな。日本の方が国土は大きいけど島国だしね」

「そうそう、良いところに気付いたね。世界地図を見ても
点に過ぎないハワイ諸島なんだけれどもじつは世界中見渡しても
こんなに恵まれた土地ってのは日本とハワイくらいのものなのさ。
海があって山があって湧水があって、しかもその水が
そのまま飲める場所なんてほとんどない。だから
農業も漁業も林業もできて生きていくには何の支障もないわけさ。
でもそこでそれらを当たり前と思うのではなく
八百万の神さまが守っててくださる。有り難い。
そう思って感謝しながら日々生きているから、そこで生まれる
歌も踊りもとても神聖なものであり文化なんだよな」

「じゃ、逆に言えば私のフラをどっかで馬鹿にしてない?」

「どういう意味だよ」

「神社に参拝に行って、もしハワイ人が巫女さんしてたら私帰るし」

「あはは。わかるわかる。でもさ、共有できるメンタリティが
あるからこそ共感できるのであってその波動みたいなものに
共振共鳴するからこそ踊ってみたい気持になるわけじゃん、
それってとってもよくわかるよ。
僕が最初にフラを見たのはサーフショップ主催の
クリスマスパーティだったのだけれどね。雪の舞う
とっても寒い日だったんだけど、フラの先生が
ソロで踊ってくれたのさ。こっちとしてみりゃ
露出度の高い服装で言い方悪いけれど腰をクネクネする
セクシーなアトラクション程度にしか考えてなかったのに
彼女が踊りはじめたらその場の空気が一瞬にして変わったんだな。
こう空気が凛として彼女の指先や髪、細い手足が揺れるたびに
その場がどんどん浄化されるような気持がしたよ。
それまでざわざわしていた会場の誰もが息を飲んで見つめてた。
酒の場なのにね。
あの日からフラに対するイメージって全然変わったのさ」

「その曲が俊介の好きなサノエなのね?」

「バレた?そう。それまでノリのいいサーフミュージックや
ジャック・ジョンソンがかかってたのにいきなりハワイアンの
しかも三拍子の曲だったっていうのもすごく新鮮だったし
なんて言うのかなハワイの文化のモノマネとしてのフラじゃなくって
とっても深いところでハワイそのものと成っている彼女がいて
日本人が踊っているっていう違和感なんて微塵もなくって
むしろその時に不意に流れた涙の意味はなんだろうと思った時に
ハワイと日本の共通項をたくさん見出せたってわけなんだ」

「へえ、泣いちゃったんだ。なんかちょっぴり妬けちゃうけれど
言ってる事すごくよくわかるな。私のハラウの
クムの踊りなんか見た日には毎度泣けちゃう」

「でも前世はハワイ人じゃないと思うよ」

「わかったっつーの!」

                  つづく

            
01:06 開運!ハワイ comments(2) trackbacks(0)
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