名古屋市中区丸の内のカジュアルワインと楽園料理 「葡萄畑 ハノハノ」
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開運!ハワイ




第1章 日本とハワイ

「ああ、ハワイに行きたい。たまらなく行きたい」

「なんで?」

「もう我慢できない。行かなかったら死んじゃうかも」

「死んだら?」

「私ね、きっと前世はハワイ人だったと思うのよ。
ハワイアンミュージックも大好きだしサーフィンも大好き。
フラ踊ってる時、今まさに自分なんだって。
そう、生きてるって実感が湧くのよね」

葉野光子は短大を卒業する時に友人数人とハワイ旅行に行ったのだが
その時の幸せな記憶からフラを始めたのだが卒業後
建築デザイナーとしての仕事は、いくらがんばっても
まとまった休みなどなかなかもらえない。
バリやプーケット、グァムなどのビーチリゾートへは二泊三日で
行けるので出掛けてはみたものの海があって太陽があっても
あの鮮烈なハワイでの印象とはかけ離れていて、もちろん
それなりにたのしいのだがどこが物足りなさを感じていたのだ。

そんな頃にフラ教室が会社の近くにある事を知り通い始めたが最後
日々ハワイへの憧れは募るばかり、それどころか
入れ替わり立ち替わりフラシスターの誰かが
ホノルルクッキーを携えて土産話をするからたまらない。

サーファーの彼は俊介。時折り彼の波乗りに付き合うのだが
海や太陽は良しとしても松の木陰では気分が盛り上がらない。
もちろん波の音や心地良い風は街中では感じられないから
光子にとってはいい気分転換ににもなるしなにより
俊介と居られる時間が楽しい。
彼とはそう、海で出会ったのが始まりだ。

「あのさ、現実的な事言って申し訳ないんだけどさ
前世ってのがたとえば50年前だったとしても
今光子が踊ってるハワイアンの曲は、まだハワイには
存在しなかったしサーフィンだって100年前に
デュークがはじめたんだけど今のような
グラスファイバーじゃなくってコアの木を
自分で削って使ってたんだぜ、女こどもじゃ
持ち上げるのさえ無理だよ、だから前世での体験ってのは
100%ない。二万%ないと言っても良い」

「でもね、アロハシャツもムームーも大好きだよ」

「馬鹿言っちゃいけない。アロハシャツの原型ってのは
日本人の移民が始めたんだからせいぜい1930年代。
前世で着てたわけがない。この本見てみなよ、どう?
ヴィンテージアロハと呼ばれるものは今のような
マイレやハイビスカスなんかじゃなくってさ
鯉だとかがモチーフの柄ものばかりでとってもみやびな感じだろ。
いま光子が好きなハワイってのは1960年代にパンナム航空が
一大キャンペーンをはじめてこの世の楽園みたいなイメージを
作り始めてからのハワイがほとんどだよ。
おまえさフラやってるのならもう少しハワイの文化を勉強しなきゃ」

「文化なんでどうでもいいじゃん、美しく踊るのがフラよ」

「じゃ、どうして美しく踊らなきゃいけないのかな」

「なんか意地悪じゃない?私が楽しく踊って不満なわけ?」

「いやいやそうじゃなくってさ、フラってのは俺から見たら
究極の手話でさ、踊ることが神さまへの捧げものっつーか
日本で言えば神社の神主さんの祝詞(のりと)にあわせて踊る
巫女さんみたいなものなんだよね。だからハワイの大地や海、
あらゆる自然の恵みに感謝してますっていう神さまへの
メッセージとしての表現なわけさ。光子は日本の神さまってわかる?」

「馬鹿にしないでよ、天照大神でしょ?だから日章旗なんだし」

「ま、そうなんだけどさ、もともと日本人の考え方として
八百万の神さまがいてさ、どこもかしこも神さまが宿ってるんだよね。
そうしてたとえば雨が降ったり日が照ったりしたらそのつど
神さまに感謝してたんだな。今の僕らの生活にしても鉛筆には
鉛筆の神さまがいてさ、ていねいにちゃんとその寿命を
まっとうしないと申し訳ないような気分になるじゃん。
それとおなじようなメンタリティがハワイの人々にはあるんだよな。
日本とハワイってぜんぜん違うように見えてじつは共通点が多いのさ」

「あ、なんとなくわかるな。日本の方が国土は大きいけど島国だしね」

「そうそう、良いところに気付いたね。世界地図を見ても
点に過ぎないハワイ諸島なんだけれどもじつは世界中見渡しても
こんなに恵まれた土地ってのは日本とハワイくらいのものなのさ。
海があって山があって湧水があって、しかもその水が
そのまま飲める場所なんてほとんどない。だから
農業も漁業も林業もできて生きていくには何の支障もないわけさ。
でもそこでそれらを当たり前と思うのではなく
八百万の神さまが守っててくださる。有り難い。
そう思って感謝しながら日々生きているから、そこで生まれる
歌も踊りもとても神聖なものであり文化なんだよな」

「じゃ、逆に言えば私のフラをどっかで馬鹿にしてない?」

「どういう意味だよ」

「神社に参拝に行って、もしハワイ人が巫女さんしてたら私帰るし」

「あはは。わかるわかる。でもさ、共有できるメンタリティが
あるからこそ共感できるのであってその波動みたいなものに
共振共鳴するからこそ踊ってみたい気持になるわけじゃん、
それってとってもよくわかるよ。
僕が最初にフラを見たのはサーフショップ主催の
クリスマスパーティだったのだけれどね。雪の舞う
とっても寒い日だったんだけど、フラの先生が
ソロで踊ってくれたのさ。こっちとしてみりゃ
露出度の高い服装で言い方悪いけれど腰をクネクネする
セクシーなアトラクション程度にしか考えてなかったのに
彼女が踊りはじめたらその場の空気が一瞬にして変わったんだな。
こう空気が凛として彼女の指先や髪、細い手足が揺れるたびに
その場がどんどん浄化されるような気持がしたよ。
それまでざわざわしていた会場の誰もが息を飲んで見つめてた。
酒の場なのにね。
あの日からフラに対するイメージって全然変わったのさ」

「その曲が俊介の好きなサノエなのね?」

「バレた?そう。それまでノリのいいサーフミュージックや
ジャック・ジョンソンがかかってたのにいきなりハワイアンの
しかも三拍子の曲だったっていうのもすごく新鮮だったし
なんて言うのかなハワイの文化のモノマネとしてのフラじゃなくって
とっても深いところでハワイそのものと成っている彼女がいて
日本人が踊っているっていう違和感なんて微塵もなくって
むしろその時に不意に流れた涙の意味はなんだろうと思った時に
ハワイと日本の共通項をたくさん見出せたってわけなんだ」

「へえ、泣いちゃったんだ。なんかちょっぴり妬けちゃうけれど
言ってる事すごくよくわかるな。私のハラウの
クムの踊りなんか見た日には毎度泣けちゃう」

「でも前世はハワイ人じゃないと思うよ」

「わかったっつーの!」

                  つづく

            
01:06 開運!ハワイ comments(2) trackbacks(0)
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続きはやくはやく〜!
From. Ako at.2011/02/02 21:50
■新しい自分を発見しようかな運動です。
 
From. ホヌ・マハ郎 at.2011/02/02 23:36









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